優に笑顔を取り戻させてくれたのは感謝してる。
けどさ、酷いよ。


俺は神様を許すことは出来ない。一生。





「小林の名前は…ない…」



小さな声で呟く俺。
正直何て言ってらいいかわからなかった。
沙紀に嘘を言った方が良かったのだろうか?
そんなこと出来るかよ。



「…う…そ。そっかぁ…仕方ないよね…」



そんな表情しないで。
泣きそうじゃないか。


小林の名前は2年1組にあった。
一番遠い距離にあるクラスだ。


きっと会うことはないだろう。
距離が遠すぎるから。



「決まったことだから何も言えないよな…」



言葉が出てこない。
周りの雑音が俺たちの心を揺らした。


沙紀の手をぎゅっと握る。


やっぱり沙紀の体温は俺を癒していく。



すると突然、後ろから誰かに肩を叩かれた。
俺は何だ?と思い後ろを振り返る。


そこには小林がいた。



無理矢理笑顔を作って、俺たちを和ませるように。



「小林…」




また、綺麗になったね。淡いメイクが今の季節にぴったりだ。