誰と同じクラスになりたかった?
そんなこと聞けない。
「ねぇ、歩。百合の名前は?」
沙紀の顔から笑顔が無くなり、笑顔と真逆の悲しそうな表情をこちらに見せてきた。
小林?
あぁ、そっか。
沙紀は優のことと小林のことを心配していたのか。
それはなぜ?
二人をもう一度やり直させたいから?
それとも気まづい空気はもう嫌だから?
「百合がね、昨日電話で言ってたの。『優くんと同じクラスになりたい』って。だから…」
そうだったんだ。
小林はそれを気にしていたんだな。
なんだよ、小林はまだ優が好きなんじゃないか。
なんか安心した。
俺は再び視線を掲示板に移して、小林の名前を探す。
けど新しいクラスには小林の名前はなかった。
神様はなぜ離ればなれにしたのだろう。
これからの優のことを知っていたからかな。
そうだとしたら、俺は神様を恨むことは出来ない。
だって優はこの新しいクラスで笑顔を取り戻したから。