映っている四人の笑顔が、つい先日のことのようだ。
髪の毛伸びたな、俺。
「歩?見える?」
沙紀の声にハッと我に返る。
耳の中に入ってくる周りのノイズ。
現実の世界に引き戻された瞬間だった。
俺は慌てて携帯をポケットにしまい、背伸びをし、掲示板を見る。
「んーとね…」
相変わらず小さい張り紙。
もう少し大きくしてくれてもいいのに。
この不満は誰にぶつければいいのだろう。
去年は1組から見ていったな、じゃあ今年は最後の6組から見ることにしよう。
2年6組から自分たちの名前を探していく。
「あ、あった」
去年同様、見つけるのは簡単だった。
すぐ見つかった俺たちの名前。
それらは同じクラスのところにあった。
ということは、今年も沙紀と同じクラス。
「沙紀!!同じクラス!!すげぇ!まただ!やっぱり運命なのかな?」
目を輝かせて沙紀に報告すると、笑顔を俺に見せてくれた。
「それに優とも一緒だし!」
俺の名前の次にあった名前は優の名前だった。
優はクラス発表のとき、何を願った?