震える体。
頭の中に何が浮かんでいるのだろう。
そんなに辛い思い出だったの?
「歩…やめてくれ、もう百合を思い出したくない…」
「小林がまだ好きなんだろ?毎日、小林を思い出してるんじゃねぇの?」
思い出せよ、楽しかった日々を。
俺の携帯にはまだ四人で撮ったプリクラが残っている。
あのときの笑顔は本物だっただろ?
輝いているはずだよ、今も。
「………」
黙り込む優。
ついに優の心は怪物に喰われてしまった…。
「おい!!優!!」
教室に響く声。
辺りはもう真っ暗で、空には星や月すら出ていなかった。
墨を溢したかのように真っ暗な空を俺はずっと見ている勇気はなかった。
優は自分自身に恐れている。
だからはっきり気持ちを言えないのだ。
言ってしまったら自分が壊れてしまいそうで、だからもがいていたのだ。
勝手なことを言ってごめんな。
俺は自分の気持ちを大切にして欲しかったんだよ。