…全ての授業が終わる。俺は授業中、『優と小林が付き合ったら』ということを題材に想像をしていた。
したいことは沢山ある。まずは四人でプリクラでしょ?
まだまだ時間は沢山あるんだ。
その時考えればいっか。
俺はいつも通り沙紀と一緒に帰る。
沙紀が所属する調理製菓部は今日は休みみたいだ。
「百合ー、今日部活やってくの?」
「うん!やってくよ」
「そっかぁ。頑張ってね!バイバイ」
沙紀は小林に別れをして、俺と教室をあとにする。
この時、優が硬直をして沙紀と小林の話の内容に耳を傾けていたことに俺は気付いていた。
聞こえないのは分かっている。
聞こえない方がいい。
『頑張れよ、優』
優の背中に応援のメッセージを投げた。
それを優は受け止めてくれただろうか?
なぁ、優。
俺は嬉しかったんだよ。お前と小林が付き合ってくれたこと。
けどどうして『別れ』がきてしまうのだろう。
その答えを探しているけど見つられないんだよ。
優と小林は絶対別れないと思っていた。
それは単なる思い込みだったのかな?
優…、俺さ、今も夜空を見ると、この日のことを思い出すんだ。
二人の気持ちが繋がった、この日のことを。