…小林は今までのことを素直に話してくれた。
優が好きなこと。
優からメールが来なかったこと。
その代わり、木田という男からメールが来たということ。
木田という人は、きっと優の友達だ。
帰りに優を呼びに教室にやってくるヤツだな。

それでさっき、優に『木田と付き合ったら?』と言われたらしい。
それが原因で、小林は泣いてしまったようだ。


それを全て聞き終えた俺は、上手く言えなかった。


優と小林はどこかですれ違っている。
余計なモノが邪魔をしているのだ。


…それは、ヤキモチ。


そして小林は最後にこう不安を漏らした。



「鈴木くんは、相沢さんにメールするのかな?私、して欲しくないよ…苦しいもん。辛いもん…」


ヤキモチが小林を蝕んでいた。
ヤキモチが小林を自由にしてはくれなかった。


大丈夫だよ、大丈夫。


ヤキモチはいつか消えて無くなるから。



小林の話を全て聞き終えた俺が出した答えはこうだった。



「…小林、優にメールしろ。それで自分の気持ちに素直になれ」




小林が素直になったなら、きっと優も素直になるはずだから。