だからさ、優。
今は無理かもしれないけど、いつか、いつかでいいから、お前が持っている気持ちを前に出して、小林に気づかせろよ。

そしたら小林も、自分の持っている気持ちを優に見せるだろうから。



「なんか、恋って難しいよな…」



遠くにある青い空を見ながら言葉を漏らす。
その言葉を沙紀は聞いていた。
沙紀は俺の隣の空席だった席に座り、俺をじっと見てくる。


なにか顔についていますか?



「な、なに?」



慌てて、顔を触る俺。
じっと見つめられると恥ずかしくなってくるよ。



「なに感情的になってるのよ。簡単な恋なんてあるわけないでしょ?それをよく知っているんじゃないの?歩は」



なんて言ったらいいのか分からなかった。
まさにその通り。
俺が一番知っていることだ。
『恋は難しい』と。



「そうだよ…な。けどさ、優と小林には幸せになってもらいてぇんだよ」



だから、神様。
貴方は存在しないかもしれないけど、俺の勝手な願いを聞くことは出来るだろ?