否定していた。
俺は自分の存在を。


けどもういいよね。


自由になっても。



「あんたなんか大嫌い」



沙紀、覚えているか?


お前は泣きながら俺にこう言ったよね。



その時、本当は抱きしめたかったんだ。


お前の弱った心を包み込んであげたかった。



沙紀─…



お前の泣き顔も、
お前が作るケーキも、
「ちゅーは嫌だ」と拗ねるお前も、


全部、全部─…



愛しているんだ。