「今度、俺、優、沙紀、小林さんで遊ばね~?」



よく思いついたな、と誰か褒めてよ。
この提案は俺が今勝手に考えたんだよ。


優は信じたのか、俺を真顔で見てくる。



「はっ?まじで言ってんの?」



まじというか、そんな計画はないよ。
けど言ったからには実現させてみせるよ。


「まじまじ!だって沙紀と考え中だもん」



まじじゃないけど嘘にしたくない。
だってそうした方が二人の距離は縮むだろ?



俺は笑顔でこう言って、箸を持ち、サラダのきゅうりを摘まんだ。



「嬉しいけど…悪いじゃん。大丈夫なん?」



心配そうな表情を向けてくる優に安心を与えるような笑顔を見せる俺。


大丈夫、大丈夫だ。
俺はお前のためにしてあげたいんだよ。



「任せろって!」



俺の言葉は頼りなかったかもしれないけど、信じてくれよ?
お前のために頑張るからさ。



昼食後、優は友達と会うために、中庭へと行ってしまった。
その相手は中学のときの友達らしい。


別れるとき、優の表情に違和感を感じた。
まるで「行きたくないから、助けて」と訴えているようで。