羨ましいだろ?
俺には自慢の彼女がいるんだ。
俺を見つけては照れて、不意打ちなキスをすると怒るけど、どこか嬉しそうで。
最高だろ?誰にも渡さないよ。



「さぁ、行こう!」



俺は自転車に股がる。
今日から俺は自転車で学校へ通うのだ。
自転車に乗るのはいつぶりくらいかな?
中学のときは車だったから、これもまた新鮮だ。


「本当に危なくない?落とさないでよね」



沙紀は不満を漏らしながら、荷台の上に乗る。
そして俺の体をぎゅっと握りしめた。


なんだか、やらしい。
こう思うのは俺だけ?


沙紀の体温が、俺に伝わってくる。



「なんか、イヤらしいね。」



「なに言ってるの!?朝から。早く行ってよ」



沙紀が俺の背中を叩き、命令をする。
その指示に従い、俺は自転車を漕ぎ始めた。


俺たちを包み込む風が、心地よかった。
散る桜の花びらが、俺たちを包み込む。