俺は変わったかな?
変わっていないとしても、俺は思うよ。
朝はこんなにも綺麗なのだと。
それは何故?
心が澄んだからかな?
心についた汚れがなくなったからかな?



朝って、こんなにも綺麗なんだね。



富田に朝ご飯を持ってくるように言うと、すぐに家政婦が持ってきてくれた。
美味しそうに湯気が立つ朝食。
今日は洋食だね。


俺はまずコーヒーに手を掛ける。
大人になったのだからブラックで飲んでみるかと思い、砂糖とミルクを無視して、口へと運んだ。



「…うっわ…にがっ!!」



案の定、コーヒーは苦かった。
まだ大人にはなれていないのかな?


恋もこのくらい苦かったけど、今は違うよ。




今の恋は、こんなにも…


甘い…。





…制服に身を包み、気合いを入れる。
なんだか新鮮な気分。
採れたての野菜のように、しゃきっとする。



改めて《高校生》と実感をする。



まだ軽い学生カバンを手に持って、部屋を飛び出した。



軽くなった体を弾ませて。




笑顔を富田と家政婦に見せて、駆け走る。




「行ってきます!!」




目の前には、キミがいる。