色の抜けた髪の毛を見た親父は、血管を走らせて俺に暴言を吐いた。


「世間の恥だ」


「お前は俺の疫病神だ」


この言葉を聞いた俺は、《勝った》と思った。


腹を抱えて笑いたかった。


この金髪は、批判ともう一つ理由がある。
それは、忠告だ。

自由にしないと壊れていく…と主張していたのに、親父は全く気づいていない。

自分の評価や、世間の目を気にしてばかり。

母親は俺が金髪のことを知らない。
なぜならば、母親は海外にいるのだから。


だから分かるはずがない。
こんなにも息子が親に批判をしているなんて、思うわけないだろうから。

今ごろ呑気に浮気でもしてるのだろう。



この髪の毛で中学に入学しても、誰一人として注意してくる先生なんていなかった。


やっぱりそれは、親父が積み重ねてきた《実績》のせいかもしれない。


この金髪から色を変えることはまずないに違いない。


もし、金髪じゃなくなったら、それは親父への批判と忠告が終了したときだろう。