私の不安は同じ制服を着た人たちを追うということで、いとも簡単に解消された。

結構な人数が自転車や歩いているのを見ると、大体この時間に福井に着く電車がベストなのだろう。

朝五時起床、出発は六時少し前のこの電車が・・・



自転車を走らせながら福井の街並みをゆっくりと眺める。

私の家とは全く違い、道路は大きく、車通りもかなり激しく、きっと夜も騒がしく明るいのだろう。

福井でこれだけなのだから、東京や大阪の街は一体どれだけなのだろう。

田舎者の私には分からないが、あいつは大学生活の四年間をそういったところで過ごしたと思うと、少しだけ感心してしまった。


「別にこんなことで感心しても何でもないか」


横断歩道の途中で一人で呟いて、それがすれ違う人に聞こえそうで思わず笑いそうになってしまった。

その光景を客観的に想像して可笑しな奴だと思い、余計に笑いそうになったのでさすがにここは堪えた。