入学式は講堂と呼ばれるところで行われ、ステージには理事長と思わしき老人が何やら堅苦しい話を延々としていた。

パッと見た感じだと体育館と変わらないこの場所は、体育館との違いは一体どこなのだろう。

辺りを見渡しても違いなど分からず、ここが講堂と呼ばれる理由が私には理解できなかった。

この講堂とは別に体育館があるのだから、私立というものは何を考えているのだろうか···



そんなことを考えていたらいつの間にか、新入生は講堂から退場という段取りになっていた。



心ここにあらずの状態で参加した入学式に、何の意味があるのだろうか。

私の高校三年間はこの入学式のように、意味のないまま過ぎ去っていってしまうのでないかと思い、少しだけ焦り、少しだけ落胆してしまった。