「いや!やめて!」

姫の必死の抵抗もむなしく、あっという間に
手を紐で縛れ、頭の上で固定されてしまった。
今日は土曜日だったが、部活で
セーラー服のままだったため、
お腹が見え、少しエロい格好になっていた。

カシャッ…

いきなりカメラの音がして、見ると
優樹君が姫の姿を自分の携帯のカメラで
撮影していた…

「な…なにして…」

「記念撮影だよ。姫ちゃんの浮気記念」

楽しそうにそう言った。

「私浮気なんてしてないじゃない…
消して、その写真消して……
お願いだから…」

気づかないうちに、涙目になっていた。

「いいねえその顔、俺が大好きな顔だ…
あまり変なまねしたら、この携帯の
彼氏ってメアドにこの写真送っちゃうよ」

「それ…私の携帯…」

いつの間にかとられていた携帯を
突きつけられ、姫は従うしかなかった、

(私…どうなるの)

姫はそう思っていた。
すると…

チュッ

優樹君は優しい顔に戻り優しくキスをして
姫の紐をほどき少しだけ笑顔をうかべて
姫の携帯を持ったまま部屋を出ていった…。

姫は、何が何だか良くわからなかったが、
最後の笑顔と脅迫されたことだけは、
ハッキリと覚えていた…
疲れていたうえ、混乱していたが
最後の優樹君のいつもの笑顔に安心して
いつの間にか姫は眠ってしまった…。

翌日、不本意にも眠ってしまったことを
後悔することになるなんて、思いもせず…


脅迫なんかした人があれだけで
やめるはずかなかった…

あの最後の笑顔が罠だと気づいたのは
朝、目が覚めてからだった…。