耳をすませる私の目の前に銀の拳。


隆也くんの妨害だ。


「避けろ!!華恋!!」


銀は顔を歪めて私に叫ぶ。


避けろって言われても。

この距離で。

無理だから。

てか、これもろにくらったら死んじゃうよね。

お陀仏だ。


「させないよ!!」


ビュッ


ただ固まって銀を見つめる私。

銀は凛妃が起こした強い風によって体勢を崩す。