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白い皿に、綺麗に並べられたカマンベールチーズ、クラッカー、それからプチトマト。
空きっ腹にビールを流し込むと、その冷たさに噎せそうになった。


「もしかして二人とも、食事がまだなのかな。
ようし、ちょっと、待ってな」


そう言って遠野さんは暖簾の奥に入って行った。
どうやらそこは、厨房になっているらしい。

しばらくすると、ジュージューという音と、バジルのいい香りが漂ってきた。


「はい。ブルーバード特製、バジルと鷹の爪のパスタね」


僕達の目の前に、あっと言う間に運び込まれた湯気を上げるパスタ。
僕達は二人でそれを分けて食べた。
舌にピリリと辛くて、バジルがきいていて、美味しい。


「遠野さんのパスタは、やっぱりおいしい。
……変わってないわ」


「そう? ありがとうね。
歩太もこれ、食べて行ったよ」