次の日の朝、僕は早めに一人でフロントへ下りた。
部屋の空き状況を尋ねると、4日はキャンセルが出たので、ツインなら用意できると言う。
………
野中七海と同じ部屋で一晩を過ごす……
それを思うだけで、僕の胸はザワザワと騒ぎ出した。
彼女の意思を確かめる必要があるかもしれないと返事を躊躇ったけれど、とりあえずお願いする事にした。
この時期に、他にホテルが見つかるとは思えなかった。
彼女と合流した後でその旨を話すと、
「わたしは構わないわ」
と素っ気ない返事が返ってきた。
僕という男と二人だけで夜を過ごす事に、全く抵抗がないような素振りだった。
その表情に、僕はホッとした反面、どこか寂しいような気持ちにもなった。