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『12月30日~1月3日まで休業致します』
歩太が勤めていたらしい「ブルーバード」というお店のドアには、そんな貼り紙がしてあった。
「……どうしよう」
僕と野中七海はドアの前で足を止めたまま、その貼り紙をぼんやりと見詰めた。
「……仕方ないね」
僕がそう呟くと、
「でも……」
と彼女は不満そうに僕を見た。
「ここには絶対、アユが立ち寄っているはずだわ」
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国分町のビルの一角。
冬の匂いとアルコールと煙草の臭い、それからどこか、酸っぱいような悪臭が漂う夜の中、野中七海はそこに不釣り合いな真っ直ぐさでドアの前に立っている。
4日の夜ならば、この店に立ち寄る事ができるのだろう。
けれども僕達は、3日の夕方にここを発つ予定なのだ。