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仙台は想像以上に寒かった。


同じ東北でも、太平洋側と日本海側では全く違う冬が訪れる。
僕が生まれ育った秋田県の田舎町は、大雪が降ってもこんなに鋭く冷たい風は吹かない。


仙台を吹き抜ける風は、針の様に肌を刺す。


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昼過ぎ、仙台に着いても、野中七海はなかなか駅を出ようとしなかった。

無意味に動き回り、お土産屋やキオスクを眺めてみたりしていた。
新幹線の中でも彼女は終始落ち着かない様子で、視線をキョロキョロと動かしてみたり、腕の位置や足の位置を何度も確認するようにしてみたり、居心地が悪そうだった。


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恐らく、極度の緊張の表れだろう。

僕はそんな彼女の様子を気にしながら、駅の中でも、ただ背後霊のように彼女に付いて回って歩いた。