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「プレゼント、何も用意できなくてごめん」
深夜一時を回って、尚子が帰ってしまってから、僕と野中七海はテーブルの上の後片付けを始めていた。
シャンパンとワインを二人で空けて、いい具合に酔っているはずなのに、頭はどこか冴えている。
テキパキと、まるで追われる様に僕達は動き回った。
「プレゼント?」
「そう、クリスマスプレゼント」
日付が変わって、今日はもうクリスマスイヴだ。
尚子から貰ったレザーの財布は、もうしっかり僕のポケットへと収まっている。
野中七海もまた、セーターを気に入った様子だった。