……決めたんだ。
と、僕はそんな彼女の顔を見ながら思う。

周りは色んな事を言うだろう。
様々なアドバイスも受ける。
けれども僕は僕のやり方で、今よりももっと彼女を引き寄せてみせる。

僕のいる現実に。


そのためには僕にだって準備がいる。
彼女を今よりもう少しだけ知る事だ。

だからと言って、勇んで彼女の過去に踏み入る訳じゃない。
彼女が示してくれる信号に、敏感になる事が大切だ。

そう、今日みたいに……
歩太の殻を脱いだ本当の彼女の姿を少しずつ認めて行く事が、僕にできる彼女を知るためのたった一つの方法なのだ。