尚子もまた相変わらずだった。
毎日の様に僕達のアパートへ押し掛けては、プリンを食べながら野中七海を相手に下らないお喋りをした。
つわりが少し、酷いのだと言う。
そう言えば、心なしか痩せた様な気もする。
けれども野中七海と話す尚子はとても楽しそうだったし、尚子と話す野中七海もまた、楽しそうだった。
僕はいつも、そんな二人をキッチンでぼんやりと見つめながら、野中七海が入れてくれたコーヒーを啜る。
……このまま。
このまま、何ともない日々が続けばいいと思っていた。
相変わらず歩太からの便りはなかったし、彼女が歩太を探しに出る時間も、日に日に少なくなってきている。