「あっ、でも安心して。歩夢には、迷惑かけないから。歩夢はいつも、ちゃんと避妊してくれてたし、歩夢の子だって可能性は、ほとんどないと思う。……彼氏か、キャバのお客さんの子だと思うんだけど……」
僕の子である可能性は、ほとんどない?
いや……確かに。
確かに僕は、常に避妊だけはきちんと心掛けていた。
尚子の為でもありもちろん僕の為にも、僕達の間に決して生命を誕生させるような事はあってはいけないと、常に僕は考えていた。
それは色欲に任せ、尚子の身体を弄ぶ様な形になっていた、僕なりの精一杯の責任でもあった。