「名前、なかなか決まらないな」





先生といくつも候補を挙げて、考えてはいるんだけど、なかなか決まらなかった。




雑誌や本を見て、字画を調べたりすると、どんどん迷ってしまう。







「ピンとくるのはないんだよね」





私と先生は、そっと手を繋ぎ、また空を見た。







「なぁ、直?」





先生は何かを思いついたように、私を見た。





「ん?」




私は少し体を起こして、先生に顔を近づけた。






「俺とお前の好きなものって何?」




「え?」







先生の手をぎゅっと握った。



そして、ふたりで青い空を見つめた。



そこに浮かぶ無数の小さな雲。