すっかり冷め切った茶を一気に飲み干し、ロイドは廊下に出た。
ランシュの姿はすでにない。
トレーを持って一階に下りると、そこにもランシュはいなかった。
部屋に戻ったのだろう。
ランシュが出て行くとしても、皆が寝静まった真夜中だろう。
ロイドはキッチンへ向かう。
明日の準備を終えたばかりのユイが、笑顔で振り向いた。
「話、終わったの?」
「あぁ」
トレーを受け取りながら、ユイはニコニコ笑う。
「風呂を済ませたら、おまえの話を聞こう」
ロイドがそう言うと、手早くカップを洗い終えたユイは、笑いながら告げた。
「私の話は、もう終わったようなものよ」
「は?」
「ランシュと話をして欲しかったの。なんかケンカしてるみたいに見えたから」
「そうだったのか」