「年上の彼女に告白したら?」


 結衣の提言に、ランシュは再び意味ありげな笑みを浮かべる。


「本当にそんな事していいの?」

「全然大丈夫よ! ランシュは見た目もカッコイイし、優しくて親切だし、何より笑顔が素敵だもの」


 拳を握って力説する結衣に、ランシュはプッと吹き出した。

「それ、見た目がカッコイイ以外は、全部ユイの事だよ。おばあちゃんがユイの事そう言ってたんだ。”笑顔が素敵な、親切で優しいお嬢さん”だって」

「そんな事、言ってたの?」


 特に褒められるような事は何もしていないので、なんとなく照れくさい。

 ランシュに尋ねると、ベルが店に来た時、入口の石段を上がるのに必ず手を貸していたからだという。