そして、沈黙する2人

芹沢くんが、急に立ち上がった。

思わずビクッとして私の身体が揺れる。


「何か飲み物を…」


とキッチンに向かおうとする彼の手を掴んだ。




「行かないで…」




彼は眼を見張り、私を見た。



彼の眼が見れず、俯いてしまう。



「私…結婚してるのに…夫を愛してるのに…、あなたの事が気になるの…どうしていいか判らないのに、気になってしまうの…どうしてなの…?」




悲しくなって、芹沢くんの顔を見上げたら


熱い唇が私の唇をふさいでいた。





「…っ」





驚いて身を引こうとするのに、彼の腕が私をしっかりと抱き締めていて動けない。