瞬間、私の腕が掴まれる。

「せ、芹沢くん?…」


芹沢くんは、寂しそうな瞳で私を見つめる。


「もう少し居て下さい…」




どうして…どうしてもこの手を振り切って帰ることが出来ない…

どうして、こんな気持ちになるの…

側に居てあげたいなんて…


私と、芹沢くんは、長い間見つめあっていた。

芹沢くんは、その瞳を逸らすと私の腕を離した。


「すいません。…どうかしてるな俺…」

と、頭をくしゃくしゃと掻いた。



私は今、どんな表情をしているんだろう…