お手洗いから出ると、芹沢くんは、壁に寄りかかっていた体を起こす。

「大丈夫ですか?」

私は、弱々しく微笑んだ。

「昔から、こうなの。すぐ赤くなっちゃうの。」


芹沢くんは、また私の腕を掴むと私を覗き込むように、視線を合わせて来た。

「少し、外の空気に当たりに行きましょう」

と言って、私をズルズルと引きずるようにして、外に連れて行く。


外に出ると、周りを見回して

「あそこで休もう。」

と、店の横にあるスペースに2人で座る。

「ありがとう、優しいんだね。私なんかより、よっぽどしっかりしてる。」

「芽衣さんが、危なっかし過ぎるんですよ。…さっきだって…」

「えっ、さっきって?…」