『ごめん怒鳴って…
ゆい…今どこにいるんだ?』


今度はゆっくりと優しい声で問いかけると
電話の向こう側から微かにすすり泣く声が聞こえた。


「けんっ健人…あたしっあたしっ…」


上手く喋れていない唯。

よく状況が読めないけど
混乱しているように思えた。


『落ち着けっ
今どこにいるんだ?』

「駅前の大きな公園…」

『分かった
そこで待ってろよ』


俺は電話を切ると今までにないくらいの
全速力で駅前の公園を目指した。

駅前の公園はまぁまぁ大きくて
探すのは難しい…


てか前、学校帰りに唯が

「あの公園は危ないから一人では
通らないようにしてるんだ」

って言っていたような…


『何やってんだよアイツ…』


公園の中には真ん中に大きな木がいくつもありそれを囲むように人が歩く道がある。

途中途中に滑り台や砂場があって
子供が遊べるようになっていて…


だから、いつも子供がたくさんいるのに
今日はいない。

平日だからかな…