「仕方ねぇから
唯のチョコだけ貰ってあげるよ」

「なによ!!
そんな風に言うなら作らない!!」


上から目線の健人に半ギレな唯。

こりゃまた喧嘩になるな…
私たちが仲裁しなきゃ

そんな事を思っていると、


「悪かった…

去年貰えなかったし、
今年こそ欲しいから作ってくれよ」


去年のこの時期、健人と唯は別れていた。

色々大変だった去年の今。

すごく苦しくて
記憶の中から消したいくらい…

だけど

あの時、唯と龍の存在の大きさを知れた。

もし、あの二人がいなかったら
今頃あたしはどうなってたんだろうと

時々考えてしまう。



「わっ分かったよ!!」

いつもと違う態度に戸惑う唯だけど
嬉しいのか、なんだかニヤついている。


『も~!!!!
イチャイチャしちゃってぇ~!!!!』


私が“イチャイチャしなさい”とか言ったら本当にするんだからっ!!

なんだか妬けてくるじゃんっ