『じゃあまずは歩くところから
歩けるか?』
ゆっくりと立つが
ヨロヨロして危なっかしい…
こいつ滑れるのか!?
『慌てなくて良いからな
ゆっくりでいいぞ』
今日の空は雲ひとつない…
スキーをするのにはもってこいの天気だ。
唯も今日は
目の調子が良いって言っていたな
昨日、癒されて少し疲れがとれたからだろ
そんな事を考え、空を見ていると
いきなり肩に重いものがのった。
「きゃっ!!!
ごめんね、健人~」
子犬のようなウルウルとした目で
上目遣いをされる…
うっ…なんか今やられた。
唯の手は俺の肩から離れ旅立っていく。
一歩一歩、しっかり踏みしめながら
前へ前へと進んで行く姿にちょっぴり成長を感じた。