あれからどのくらい時間が経っただろうか…


お湯に浸かっていた私の指は
いつの間にかおばあちゃんみたいに

ふにゃふにゃになっていた。

こんなに長くお風呂に浸かったのは
久しぶりかもしれない


空を見上げるといつの間にか
真っ赤に染まっていて

私たちはこんなに長くお風呂に
入っていたんだと知らされた。


お風呂から出ると
空は群青色に変わっていて

髪が半乾きのまま私たちは急いで屋上へと向かった。


屋上には、まだ人はあまりいなくて私たちを合わせて7人くらい…

木の床でできた屋上は広く
テラスみたいで歩くとコツコツとなる


「よかったらこれ使ってください」


旅館のお兄さんが大きな毛布をくれた。

私たちはベンチに座り、
その一枚の大きな毛布を肩にかける。

それでも余るくらい大きな毛布に
包まれて私は空を見上げた。


ハッキリとは見えないけど、
いつもより綺麗に見えるお星さま

私が住んでいるところに比べて
ここの空気の方が澄んでいるからかな…