「だから、どうすれば良いか
分からなくて今まで来なかったんだ」

『そんなに悩んでるんなら俺を頼れよ』


少し冷たい風が俺達の髪を揺らす…

そして健人は唇を噛みしめた。


「あんだけ毎日龍を呼び出しといて、
迷惑かけてたのに

これ以上迷惑かけられねーだろ」


『誰が迷惑って言ったよ…

困ってるときに力になる
助けてあげる

それが友達だろ?』


ドラマのワンシーンに出てきそうな、
くさい台詞を言って少し顔が熱くなる。


「クククッ
照れるなら言うなよ!!

でも嬉しい、ありがとな」


そう言った健人の横顔は
なんだかスッキリしたようだった。



キーンコーンカーンコーン


一時間目の授業の終わりを知らせるチャイム。

時間が経つのを早く感じた…。
俺達、そんなに話してたっけ。