結局、
健人が始業式に顔を出すことはなかった。
折り返しの電話もなく…
そして
次の日も、次の日も、
健人が学校に来ることはなかった。
メールをしても返事は返ってこないし
電話をしても毎回、留守番電話。
さすがに心配になった俺は
ある日の放課後、
一人で健人の家へと向かった。
ピーンポーン
「はーい
あっ龍くん、久しぶりねー!」
インターフォン越しに聞こえる
おばさんの声。
なんだか恥ずかしくって
俺は頭をかいた。
『お久しぶりです。
あのー健人いますか?』
「健人はねー
昨日の夜から帰ってきてないわよー」
淡々と喋るおばさんは
心配をしていないようだ。
そういえば前に健人が
「俺の親は放任主義って言うか自由なんだよなぁ」
なんて言っていたような…