「それよりも、健人こないね」


愛美はつまんなそうに健人の机を見ている


『そうだな…

アイツ今日の朝、
電話してこなかったからな

電話してみるか』


俺は携帯を開いて
通話履歴のボタンを押し、

一番上にある名前に電話をかけた。



夏休みの出来事を話す女の騒ぎ声と
走り回ってはしゃく男共がうるさい。



プルルルルルッ

プルルルルルッ


プツッ


留守番電話サービスでござ…


『ダメだ、繋がんねぇ
アイツ寝てんのかな』


そう俺が言うと、
唯の体が少しピクンっと跳ねた気がした。


やっぱり、
唯から別れを告げたとはいえ

健人を好きで別れたのだから
まだ傷は癒えていないのだろう…