俺たちはファミレスを出た。
夏だからか日差しが強く、
でも風が冷たくて気持ち良い。
空は雲ひとつなく青く澄んでいる
そんな空をいまでは憎くも思えた。
『唯、一つ聞きたい事があるんだけどさ』
「なに?」
首を傾げる唯
『唯はまだ健人のこと好きなのか?』
すると少し間をおいて
「うん、健人の事は大好きだよ」
とびっきりの笑顔でそう答えた。
「もー!
二人ばっか話ししてぇー
唯っ!!
私の龍をとらないでよー!!!」
プクッと風船のように頬を膨らませて
怒る愛美。
「大丈夫、大丈夫。
安心して!
龍みたいなハゲ好きにならないから♪」
『俺はまだハゲてねーぞぉ!』
アハハと笑い合う三人。
初めて今日、
二人が心から笑ったような気がした。