「あたし
角膜ヘルペスって言う目の病気なの


もう末期らしくて
将来、目が見えなくなるって
お医者さんに言われた。


その時に健人と別れようって思ったんだ

だから別れることは前々から決めてたの」


いまさっきとは別人のように
強く、そしてハキハキと喋る唯。

そんな唯に戸惑いを感じながらも
話しの内容に少し疑問を持った。



『なんで別れようと思ったんだよ』


「だって、
あたし障害者になっちゃうじゃん?


健人にもたくさん迷惑かけちゃうだろうし


だから迷惑かけたくなかったから、
タイミングはかって別れたの」


俺は唯にかける言葉をみつけることが
できなかった。

こんな時こそ
なにか言ってあげなきゃいけないのに

情けない男だ…。