~龍 side~
耳を塞ぎたくなるほどの
大音量の着信に俺は目を覚ました。
~~♪~~~♪~
うるせーなと思いながら時計を見ると
まだ夜中の3時。
『誰だよ』
そう呟きながら携帯の画面を
確認すると【吉田 健人】の文字が
『もしもし…』
そう呼び掛けても
向こうからの返事はなく無言が続く…
『もしもしっ!?』
「りゅう…」
もう一度呼び掛けると、
受話器の向こう側から微かに
俺の名前を呼ぶ健人の声が聞こえた。
明らかにいつもと違う声に
戸惑いが隠せない。
『お前どこにいんの?』
「川にいる」
『待ってろ、今から行くから』
俺は電話を切り家を出た。