『返すの遅くなってごめんね』

私は健人にタオルを差し出した。



そう、あたし達が
出会ったきっかけになったタオル


「あー良かったのに…」

『良くないよ!!
借りたものは返さなきゃ』


ムキになって言うと、
しーと人差し指を口に当てる健人。



だんだんと縮まる距離…

そっと目を閉じると
唇に触れるかふれないかのキスをした。


目を開けると目の前には
甘い甘い顔をした健人。


「おやすみ」

『おやすみなさい』


そんな言葉を交わし、私は家に入った。