そう言った俺に男は一瞬動揺をみせた。

でも、直ぐその顔は元に戻りさっきとは別人のような優しい笑顔をみせた。



でも、その笑顔とはにてもにつかない
言葉が返ってきた。


「何で離さなきゃいけないの?

俺の彼女なんだけど」


低い。

男の俺でも後退りしてしまうような
怖い声でそう言う


だけど俺は愛美を守るって決めたんだ。
こんな所で引いてちゃいられない…


『でも嫌がってるじゃないですか!
だから離してあげてください』





ボコッ


その音が聞こえたと同時に俺は倒れた。


口を触ると指が赤く染まっていて
俺は殴られたんだと分かった。


キャーと聞こえる愛美の悲鳴。



何とかして守らなくちゃいけないと思って
立ち上がろうとしても力が入らない。


『クソッ』


そう言った瞬間、
男は俺に飛びかかってきて何度も殴った。


俺がヘトヘトになるまで…

立ち上がれなくなるまで…




そして

俺はいつの間にか気を失っていた。