~愛美 side~



教室のドアを開けたと同時に
冷たい風が私の体を突きさす。

ブルっと震える体を手でさすりながら私は廊下を走った。



「愛美、今日は帰れないのー?」

後ろから聞こえた唯の声に振り返る。


窓から顔を覗かせる唯に

『ごめーん!今日は帰れないやー』

そう言って顔の前で手を合わせた。


分かったーと返事をした唯を確認して、
私は腕時計を見た。


【16時09分】

ヤバイ!!!!
もう直ぐで待ち合わせの時間じゃん!!



私はたくさんの人を掻き分けて
急いで正門に向かった。

正門につき
待ち合わせをしていた人を探す。

『どこだろう』


その時


プップー

近くでクラクションが鳴った。
音のする方を見たら、車から顔を出してこちらに手を振っている人の影…