……は?軽いってなにが?
私はただこんなことでサクと尚さんを対面させたくないし、本意ではない再会は迷惑になるだけ。
それなのになんで尚さんにそんなことを言われなきゃいけないの?
「だって優先してる順位がお前らって〝今〟じゃねーじゃん」
「………」
「お前は俺と亮を会わせたくないとか思ってんだろうけど俺的には気にする箇所がズレてるように思うけど?」
「なにが言いたいんですか?」
「例え熱があるからサンセットに迎え来てって言ってもあいつは来ないってこと。だから軽い関係だって言ったんだよ」
……悔しい、ものすごく。でもきっとそのとおりだよ。
サクにとって私の優先順位は一番じゃないし、そんなこと分かってる。
「なに?泣いてんの?」
私は尚さんに背中を向けて、必死で涙を堪えていた。
サクの過去に勝てないなんて当たり前。
それは勝ち負けじゃないし、私だって寂しさを埋めてくれる存在を求めていたはず。なのになんで今さらこんな気持ちになるんだろ?
きっとこれは熱のせい。
ガンガン痛い頭のせいで、気持ちが少し不安定になっているだけ。
「おい、泣くなよ。こんなところ見られたら鉄に殴られるし」
「泣いてません。なんで私が尚さんに泣かされなきゃいけないんですか?」
私は涙を堪えて、ソファーから起き上がった。