だけど、俺の知っている限り




 こいつがマジ泣きしているのを見たのは初めてだ。




「バカだよな」




 俺は呟いた。



「泣くほど……のことが好きなら、あほ言わなきゃいいんだろ?それをさー、わざわざ口にするから喧嘩するんだ。明日にでも謝ってやれよ」





 ルームメイトは涙を拭い、大きく頷いた。