「あ、わかった!じゃあ、ご褒美に、キスさせて?」



「嫌だぁ」



「拒否権なし!」



 翼の顔が、迫ってきた。



「好きでもない女子と、キスして楽しい?」



 私は、翼の胸に手を置いて、キスを阻止した。



「は?」


「翼、七夏ちゃんと、付き合ってるんでしょ?一緒に寝たんでしょ?なら、七夏ちゃんとすればいいじゃない」



 私、今にも泣きそう。



 自分でも、なんでこんなに冷たくしか言えないのかわかんない。