「あいかわらず間抜け。」



まぬけじゃないもん、ただ寝過ごしちゃっただけだし。



「たまたまだよ、偶然!!」



「たまたまか?いつも寝起きは悪いの俺は知ってるけど。」




それより起きてるならさ …………




「悠真が起こしてくれればよかったのに。」




「起こしてやったじゃねーかよ今。」



もう、今じゃないよ今じゃ。



「じゃぁ、俺いくわ。杏奈も行けよ。」



「え、ちょっと待って…………バン!



悠真は扉の向こうへと、すでに姿を消していた。