ピロロロリルリン~♪リリリン。



あたしのケータイが着信を知らせる。




あたしは陽菜のほうを向いて「ちょっと、ごめんね」の合図をした。




≪090-****-****≫



知らない番号だけど、一応出てみようかな。




「……もし……もし。」




緊張しながら最初の言葉を口から出す。




≪杏奈様ですか?≫



「は、はい。」




≪よかった~つながって、お母様の秘書の谷崎と申します。≫