********** 気が付くともう時計は10時半を回っていて。 ピンポーン、ピンポーン。 あ、陽菜が来たみたいだ。 「杏奈用意できた?」 「まだ~!陽菜家に入ってて。」 あたしは洗面台の鏡とにらめっこしながら髪を結ぶ。 気が付くと鏡の奥のほうに陽菜が写っていて。 「まだ、髪の毛もしてなかったの?あたしがしてあげるよ。」 「ありがとう、やっぱり陽菜って救世主。」