その瞬間、座ってたあたしの体をひょいっと持ち上げて。



うぅ...顔だけは見られたくない。



でも、そんな願いはかなわなくて手でかおを上げさせられる。



「熱でもあるんじゃねーか?顔真っ赤だけど。」



それは紛れもなく目の前にいる悠真のせいなんだけど……



「そんなことないから……」



今のあたしにはこれしか言えなくて、



「杏奈がそういうなら信じるけど、きついならちゃんと休めよ。」



ただただうなずくしかなかった。